
一概に顔が腫れると言っても、部位、原因、程度等様々考えられますが、可能性として一番高いのが、虫歯が原因で歯の根に感染がおよび、それが骨膜という薄い膜を破って歯肉から顔、頬が腫れるケースです。時として、上顎の場合、副鼻腔(上顎洞)まで感染がおよんで、鼻の症状が生じる事もあります。
まず、切開排膿処置によって膿を出し、抗菌薬投与により消炎処置を行います。こういうときは例外なく体力(免疫力)が低下していますので、水分摂取、睡眠を十分に取りしばらく安静が必要です。消炎後は抜歯を含めた原因歯の処置が必要となります。
その他、皮膚疾患や、腫瘍性病変により腫れる場合もありますので、精査が必要です。
智歯周囲炎 ---------- 抗菌薬による消炎後、抜歯
歯性上顎洞炎 -------- 抗菌薬による消炎後、抜歯もしくは根管治療
上顎歯の歯槽膿瘍 ---- 切開、排膿処置と抗菌薬による消炎
われわれが体調を崩すとよく経験をする、いわゆる口内炎は、通常「アフタ性口内炎」と呼ばれ、ウイルスの感染や、咬傷が原因で発症し、普通1週程度で治癒します。しかし、さまざまな要因で悪化し、難治性になることも少なくありません。痛みのために食事が出来ない様な重症時は、レーザーで表層を処置、軟膏、貼付薬などを処方したり、ケースによっては漢方薬を服用していただきます。
もちろん口腔内の環境を整え、常に清潔な状態を保つことは最も大切なポイントです。
ただし、単なる口内炎と思い、痛くないので放置し、なかなか治らないので来院、実は腫瘍(悪性)や、全身疾患の一症状ということもありますので、治りにくい口内炎は来院していただく方が望ましいです。
舌に傷もなく、腫れてる様子もなく、でもピリピリと先端部分が痛い。これは「舌痛症」といい、中高年の女性に多くみられる疾患です。時に痛いことを忘れていることもありますが、一旦気にすると、なかなか痛みが止まりません。舌痛症はまず、腫瘍性病変や、炎症性病変でなく、決して重症でないことを患者様自身に理解していただき、精神的要因の有無を確認、可能な限りそういった要因を排除、生活習慣を整えていただくことが重要と考えます。
時に、安定剤や、漢方薬を服用していただきます。
機械的刺激による舌炎 ---- 原因除去(尖っている歯の削合等)
舌痛症 ------------------- 漢方薬、向精神薬等処方
体力の低下とともに免疫力が低下し、普段から不潔な領域になりがちな智歯、いわゆる「親知らず」周辺が痛くなることがあります。歯そのものが虫歯になることもありますが、ほとんどの場合、親知らず周囲の歯肉等にバクテリア感染が原因の炎症を起こします。痛みはもちろん、顔が腫れたり、口が開きづらかったり、発熱して全身状態まで影響することも少なくありません。
まずは、消炎に努めます。抗菌薬投与、発熱時には安静にし、口腔内を清潔に保ちます。
消炎後はやはり抜歯が望ましいと思います。ただし、上の親知らずなら副鼻腔に近接していますし、下は下歯槽神経や動脈に近接していますのでリスクの高い抜歯になることがあります。そういう場合、レントゲン画像だけでなく三次元的な情報がえられる3D-CD 画像を利用することでより安全に抜歯をすることが出来るようになりました。(当院でも昨年より導入しております。)
智歯周囲炎 ----- 抗菌薬による消炎後、抜歯
自転車での転倒、交通事故、スポーツ外傷、様々な原因で歯や唇、顎、顎関節に受傷します。受傷後は、局所を清潔に保ち、圧迫止血をして、出来る限り早く来院してください。歯が動いていなかったり出血が少ないので放置すると、後に顎関節等に障害がでる事もあります。必ずレントゲン検査をし、骨に問題はないか確認の必要性があります。
尚、外傷の患者様は、緊急性を考慮しアポイントの患者様より優先して診察させていただきます。
歯の脱臼 ----------- レジンシーネによる固定等
外傷性顎関節炎 ----- 治療用スプリント装着
顎関節は様々な理由で障害を受けます。まず、持って生まれた顎の形、かみ合わせ、歯科処置、歯ぎしりやくいしばりの癖、などです。いずれにしても耳の前にある顎関節の中の関節円板と呼ばれる軟骨様組織に障害が加わり、時に変形、時に断裂、時に位置移動を起こし、最終的に開口時に音が鳴ったり、痛みが出てきたり、物理的に引っかかり、開口障害を起こしたりします。
まず、原因は何かを突き止め、そのストレスから解放すべく方法を考慮します。マウスガードを使用したり、負担がかからない開口訓練等が主な治療となりますが、重症には外科処置が必要な場合もあります。
顎関節症 ---- スプリント療法
口腔乾燥症は様々な原因で起こり得ます。全身的要因としては、自己免疫疾患の一症状として起こる場合、糖尿病の初期症状、また、向精神薬等、服用されている薬剤の副作用として起こる場合もよく知られています。局所の原因としては、唾液腺疾患、唾液腺そのものの機能低下、唾液腺自体の萎縮など考えられます。それから、唾液の分泌は自律神経系に大きく影響を受けます。
副交感神経が優位なときにはサラサラ唾液が良く分泌され口腔内も潤うのですが、反対に交感神経が優位なときには乾燥状態となります。
以上のように、その患者様の全身状態、局所の状態を精査し、個人個人に合った治療法を提供することが重要です。
加齢等による口腔乾燥症 ---- 漢方薬処方
シェーグレン症候群 -------- 薬剤療法